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イスラエルとパレスチナ (住職のブログ

2024/05/31 (金)

5月26日、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ最南部ラファを空爆し、子供や女性を含む45人が犠牲となり、多数の負傷者が出た。国際司法裁判所が、ラファへの攻撃即時停止を命じた後も、攻撃を続けるイスラエルに対し、アメリカをはじめ国際的な非難が高まっている。イスラエルにすれば、ハマス殲滅を達成するまで攻撃を停止する考えはないのだろうが、しかし、国際社会からの非難を無視続けることのリスクは大きい。世界中を敵に回すことは、国際的な孤立を招き得策ではない。ネタニヤフ首相の決断が待たれる。
 そもそも、イスラエルのユダヤ人とパレスチナのアラブ人は、アブラハムを祖とする異母兄弟である。旧約聖書によれば、アブラハムは神に対する絶対的信頼と服従により、「信仰の父」と呼ばれた。アブラハムと妻サラには、当初子供がいなかったので、妻サラの勧めに応じ女奴隷ハガルとの間にイシュマエルをもうけた。その後、妻サラとの間にイサクが生まれ、この二人の息子はそれぞれイシュマエルはアラブ人の先祖、イサクはユダヤ人の先祖となった。この結果、アブラハムはアラブ人とユダヤ人両民族の父となった。
 旧約聖書の書き出しの「創世記」には、神による天地創造が語られ、その中に「神は自分に似せて人間を創造した」との一節がある。神様が人間を最初に創ったと書かれているが、その人間がこれほど争いが好きだったとは想像力できなかっただろう。イスラエルとパレスチナの紛争を見ていると、人間の「業」の深さを感じる。兄弟による「骨肉相食む」争いは、お互いを不幸にするだけで、本来の「業」である「未来に向かっての人間の努力」、和平への努力に期待している。
 和平へのカギは、イスラエルに大きな影響力を持つ、アメリカが握っている。そして、アメリカに住むユダヤ人600万人は、イスラエルのユダヤ人の人口に匹敵し、金融界やマスコミに絶大な影響力を持っている。この影響力が、アメリカの政策決定にどのように反映されるのか、注目である。

新生日本の創出 (住職のブログ

2024/04/30 (火)

4月28日は、日蓮聖人が建長5年(1253)千葉県清澄山で初めてお題目を唱えてから772年、立教開宗を宣言した記念すべき日である。今年の立教開宗会は、コロナ禍で中止が続いたので、5年ぶりの開催となった。お寺の年間行事は、コロナによってすべて中止となり、寂しい限りであったが、ようやく通常開催が可能となり、一安心である。コロナの影響で、葬儀や法事は家族だけで行われ、親戚や友人との関係が閉ざされてしまった。その結果として、人間関係が希薄となり高齢化と相俟って、社会全体の活力が失われてしまった。
 人間は社会的動物であり、人との繋がりの中で生きているので、コロナによる日本社会や経済へのダメージは大きかった。巷では、34年ぶりの円安ニュースが溢れ、この傾向が永久に続くような雰囲気になっているが、歴史的に見れば1990年に付けた160円の円安も、5年後の1995年4月には79円の超円高を記録している。この年は、1月に阪神淡路大震災、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件と、社会を揺るがす大事件が起き、忘れられない年であった。
 この超円高は、日本企業を直撃し工場の海外移転を加速させ、日本経済の空洞化を招く契機となった。この結果、若者の就職氷河期をを招き、失われた世代を生み出すこととなった。当時、本国寺檀家の中にも米国や欧州に転勤する話が出てきて、驚いた記憶がある。この話を聞いて、日本企業はアジアだけではなく、世界中に工場移転する時代になった事を、実感した。この一連の出来事は、親たちの世代には考えられない時代の到来を、告げるものであった。
 日本は、昭和35年(1960)の池田首相の所得倍増計画のもと、親たちは驚異的な高度経済成長時代を謳歌してきた。この時代を知る親世代は、まさか失われた30年を経験するとは、夢にも思わなかった。景気の循環で、その内に景気が良くなるだろうと思っていたが、結果的には予想は見事に外れた。これからの30年は、今までの失敗を教訓に大リーグで活躍する大谷に習い、世界に冠たる新生日本の創出を目指さなければならない。

尊富士と大谷選手 (住職のブログ 未分類

2024/03/31 (日)

3月24日、大相撲春場所で尊富士が110年ぶりとなる、新入幕初優勝という歴史的快挙を成し遂げた。尊富士は、前日の取り組みで足を負傷し、救急車で病院に運ばれ、千秋楽の出場が危ぶまれていた中での優勝だけに、より一層の感動を呼んだ。尊富士の速攻相撲は魅力的で、東北青森が生んだ角界のスピードスターとして、大相撲を大いに盛り上げてもらいたい。今場所は、もう一つ嬉しい出来事があった。それは、時疾風(ときはやて)が宮城出身力士として、五城桜以来27年ぶりの新入幕を果たしたことである。こちらも来場所の活躍を楽しみにしている。
 一方、東北岩手が生んだ野球界のスーパースター大谷選手は、ドジャース移籍でスポーツ選手として世界一の高給取りとなり、そして結婚と前途洋々と思われた。しかし、通訳の水原一平氏の違法賭博に巻き込まれ、水を差されてしまった。「好事魔多し」(良い事にはとかく邪魔が入りやすい)とはよく言われるが、世の中甘くないことを改めて思い知らされた。お釈迦様はこの世は「四苦八苦の娑婆」であると教えている、つまり、人生には苦労が付きものである。大谷選手が、この苦境をどう乗り越えるのか注目である。
 このスキャンダルが明らかになったのは、韓国での開幕戦である。開幕戦でのベンチの中の水原通訳の様子がいつもと違い、顔色が悪く肌がカサカサで、どこか体調が悪いのかと見ていた。すると、突然「水原一平氏との契約解除」のテロップが流れた。一体何が起こったのか、ただ驚くばかりで信じられないニュースであった。大谷選手と二人三脚で今まで頑張ってきた姿を見ていただけに青天の霹靂であった。その後、水原通訳は「ギャンブル依存症」であることを告白し、違法賭博で多額の借金を作り、それを大谷選手が肩代わりして支払ったとの報道で、大騒ぎとなった。しかし、3月26日大谷選手が水原通訳の話がウソである事を表明し、ようやく鎮静化した。
 先週一週間は、日本の国技である大相撲の尊富士の110年ぶりの衝撃的な優勝、米国の国技であるベースボール大谷選手のスキャンダルと、大変な7日間であった。それにしても、水原通訳の仕業は万死に値する。大谷選手がこの悔しさをバネにワールドシリーズ制覇という、最高のシーズンを送ることを願っている。

失われた30年 (住職のブログ

2024/02/28 (水)

2月22日猫の日、東京株式市場は、バブル期の1989年12月29日に記録した38,915円の最高値を、34年ぶりに更新した。日本の失われた30年の間に、米国株は14倍ドイツ株は9倍韓国株は3倍となっていたので、日本株低迷は一目瞭然である。バブルがはじけた1990年、まさかこれほど長く日本経済が停滞するとは、予想できなかった。今の中国を見ていると、当時の日本人のメンタリティーと同じように、高度成長の夢から覚めるのには、もう少し時間がかかるだろう。日本は、バブル崩壊から立ち直るのに、時間がかかりすぎたことを、反省しなければならない。
 今回、史上最高値をけん引したのは、半導体関連銘柄と言われているが、バブル崩壊の前兆となったのも、アメリカによる日本の半導体つぶしであったことを考えると、歴史の皮肉を感じる。当時アメリカは、日本との大幅な貿易赤字を抱え、その是正のため日本に貿易戦争を仕掛けてきた。今、アメリカが中国に仕掛けている貿易戦争も、当時の日本へのやり方とよく似ている。日本は、アメリカから高い関税をかけられ、アメリカへの輸出が困難になった。その結果、日本国内では企業の海外移転が進み、就職難と消費不足そこに円高が重なり、デフレ経済が慢性化した。中国も日本と同じ轍を踏むのか、注目である。
 失われた30年でよかったことは、スポーツ界の躍進、特にサッカーJリーグは、30年で目覚しい発展を遂げ、アジアNO1の地位を確立した。しかし、「好事魔多し」格言通り、今回のアジアカップでは、優勝候補と言われたがベスト8で終った。この大会での失敗は、GK鈴木を起用しづけたことである。初選出の21歳のGKには、真剣勝負は荷が重すぎた。鈴木は一番年下で、先輩のDF富安や板倉への遠慮があり、コミニケーションやコーチングが不足し、全試合の失点につながった。日本社会では、まだまだ「長幼の序」が生きていることを、森保監督は考慮すべきであった。来月始まるワールドカップ予選では、この失敗経験をしっかり生かしてもらいたい。
 失われた30年を経験した日本経済は、最高値を更新したことに浮かれることなく、これからの30年でJリーグと同じように躍進し、株価が2倍3倍になることを期待している。ウオール街の格言に、「強気相場は絶望の中で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観により熟し、陶酔のうちに終わる」とあり、今の日本の相場は「懐疑とともに育っている」と考えられるので、楽しみにしている。これからの日本経済が、黄金の30年になることを願っている。

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