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楽天の低迷 (住職のブログ

2023/06/30 (金)

6月26日、楽天田中将大はソフトバンク和田と投げ合い、一ヶ月ぶりに4勝目をあげ4勝4敗とようやく星を五分に戻した。田中がヤンキースから楽天に移籍してから3年、この間の成績は期待を裏切る結果で、ファンを大いに失望させた。これまでの田中の投球を見ていて感じることは、コントロールが少し甘くなると簡単に打たれることが多く、往年の力による投球スタイルの限界が見えていた。今回はうまくいったが、次回登板でこのような結果を出せるのか、真価を問われることになる。一方、打撃陣では一昨年打点王、昨年最多安打の島内の不振がこれほど長く続くとは、全く予想できなかった。今年は、打率1割台で思いっ切りの良さは影を潜め、迷いながらのバッティングで快音は聞かれない。一日も早い復調が待たれる。
 楽天は現在最下位に低迷しているが、その一番の要因は石井監督にあると考えている。監督は、昨年と同じ失敗を繰り返している、それは、実績のある選手にこだわりすぎることにある。昨年は、開幕ダッシュに貢献した西川を、40打席無安打にもかかわらず、一番スタメンで使い続けたことである。その間、楽天の成績は急降下していった、今年は、昨年セットアッパーとして活躍した西口を、打たれても打たれても使い続け、その負け癖をチーム全体に蔓延させてしまった。腐ったミカンを箱の中に入れておけば、箱全体に広がる現象と同じである。負け癖のついた投手は一旦二軍に落とし、負け癖を取り除かなければならない。
 石井監督は、目に見えるところだけを見て、目に見えない影響に鈍感である。実績のある選手が不調でも、そのうちに良くなるだろうと使い続け、その悪影響に考えが及ばない。実績のある選手を優遇しすぎれば、若手は育たない。有望な若手である安田は、田中とバッテリーを組む時以外は代打である。安田の打撃を伸ばすためには、DHとして経験を積ませることが必要であると思っている。実績主義もほどほどにして、若手にもっとチャンスを与えて起爆剤としてもらいたいものである。
 親会社は、発展させるために無理をしているが、石井監督は、勝つために無理をしないポリシーと、真逆で皮肉なことである。
 

多神教と一神教 (住職のブログ

2023/05/31 (水)

5月24日、日本ムスリム協会はイスラム教徒が宗教施設を壊し逮捕された事件を受け、「宗教的観点からみても誤った行為」と非難した。その事件とは、神戸市の神社で民族衣装を着たアフリカ・ガンビヤ国籍の男が「神様はアッラーしかいない」と叫び、さい銭箱など宗教施設を壊した出来事である。アフガニスタンのバーミヤン遺跡の大仏爆破映像が強烈だっただけに、このような事件には敏感にならざる負えない。先月には、石巻市で土葬可能な霊園設置の要望が出され、今月は神社施設の破壊と、イスラム教徒の増加によって将来起きるだろうと危惧された出来事が続いた。
 日本は、八百万の神々が宿る多神教で、世界一の火葬大国である。一方、イスラム教国は偶像崇拝を嫌う厳格な一神教で、土葬大国である。この相反する宗教を日本社会で共生させるために、日本ムスリム協会との連携がより一層必要になるだろう。日本ムスリム協会は1952年、「イスラム教徒が日本社会と協調しながら、教義を実践できるよう設立された」団体で、日本におけるイスラム教布教伝道の中心を担っている。イスラム教の聖典クルアーンには、「あなた方は、彼らがアッラーを差し置いて祈っているものを謗ってはならない」と書いてある。この言葉が、多くのイスラム教徒に共有されることを、切に願っている。
 日本とイスラム教の歴史は戦後始まったばかりで、鉄砲伝来以来500年の歴史を持つキリスト教と比較すれば、まだまだ日が浅い。キリスト教とは長い歴史の中で、紆余曲折を経て今日の安定した関係を築いている。イスラム教との関係は、これから様々な軋轢が起きるだろうが、お互い知恵を出し合い解決しなけれならない。これは、日本社会が避けて通れない道であり、日本人一人一人の覚悟が問われることになる。日本の50年後の人口は8700万人、その一割は外国人になると予想されている。現在の外国人は180万人なので、約5倍になる計算になる。必然的にイスラム人口は大幅に増加し、イスラム教の社会的影響が大きくなることは必至である。
 日本社会にとって、21世紀はイスラムとの共生の道を探る、厳しい世紀になるだろう。

火葬と土葬 (住職のブログ

2023/04/29 (土)

4月26日、河北新報に『土葬可能な霊園  石巻に建設要望』という記事が載っていた。内容は、「宮城イスラム国際共同霊園をつくる会」の代表者が石巻市を訪れ、市内に土葬可能な墓地を建設するよう求めたというものである。イスラム教の教典コーランには、「現世で罪深く過ごした人間は、地獄の炎で焼かれる」とあり、火葬は地獄のイメージと重なりタブーとされている。こ宗教的問題に、石巻市がどのように対処するのか、注目していきたい。

当山の近くには、東北で唯一のイスラム教寺院があり、金曜日には多くのイスラム教徒が礼拝に訪れる。このような光景を目にしていたので、河北新報の記事に驚きはなかった。イスラム教徒の火葬に対する禁忌と、火葬率ほぼ100%の日本で、どのように折り合いをつけるのか、難題をつきつけられている。これからも、イスラム教徒は増加する一方なので、土葬墓地建設が将来大きな社会問題としてクローズアップされるのは必定である。日本では、法律によって土葬は禁止されていないが、市町村の条例や墓地の管理規約で禁止されている。国内には、土葬可能な霊園は数ヶ所あるが、イスラム教徒の墓地需要を満たすことは、到底できないだろう。

日本の土葬の歴史は、縄文・弥生時代から続いてきたし、鎌倉新仏教の興隆によって火葬も広まったが、土葬が廃れることはなかった。江戸時代には、徳川幕府が儒教を重んじ、先祖崇拝や親孝行を尊ぶことにより、親の遺体を火葬することは親不孝と考えられ、土葬が主流であった。明治時代になって、人口増加・都市化が進み土地不足と公衆衛生面から火葬へと政策転換が行われた。日本は仏教国なので火葬に対するタブーがなかったので、順調に火葬は普及し、今では世界一の火葬国となっている。

それでは、なぜ日本がこれほど順調に火葬が進んだのかといえば、仏教の開祖であるお釈迦様は死後荼毘に付せられ、その舎利が信仰の対象になった事、日蓮聖人も東京池上で荼毘に付された後に山梨身延山に埋葬されている。法華経には「広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心」(広く舎利を供養し、咸く皆恋慕を懐いて、渇仰の心を生ず)とあり、舎利信仰が説かれてもいる。日本人にとって舎利になること、つまり、火葬されることは望ましいことなのである。宗教的火葬禁忌がなかったことが、日本を火葬率世界一にした要因であったことを、忘れてはならない。

大谷翔平のWBC (住職のブログ

2023/03/28 (火)

3月22日、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、日本代表「侍ジャパン」が前回優勝の米国を破り、3度目の優勝を果たし有終の美を飾った。侍ジャパンは、準決勝でメキシコに逆転サヨナラ勝利を収め、決勝では米国を3対2の接戦で制した。準決勝での村上の逆転打、決勝での大谷vsトラウトの対決と、野球の醍醐味を堪能させてくれた大会であった。そして、エンジェルスのチームメイトであり球界を代表する2人の真剣勝負は、球史に残る名場面として、世界中の野球ファンに永く言い伝えられるだろう。
 大谷がトラウトから奪った3球ともスイングしての空振3振は、非常に稀有なことだという。MLBの記録によると「トラウトがMLBの打席に立った6176回のうち、3球をスイングして外したのは、わずか24回だという」つまり今回のトラウトの空振3振は25回目ということになる。こんな記録まで引っ張り出してきたのには、正直びっくりである。それにしても、あの場面での大谷の伝家の宝刀高速スライダーは、トラウトでなくても誰も打つことはできなかっただろう。まさしく、投手大谷の面目躍如の投げっぷりであった。
 大谷は高校1年生の時、自らの夢実現のため目標達成ノート(マンダラチャート)を作り、具体的に項目を可視化した。そして、高校3年生の時には、直接大リーグに挑戦することを宣言した。しかし、日本ハムファイターズの監督であった栗山監督は、強引に大谷をドラフト1位で指名し、説得に乗り出した。何度も岩手に足を運び、当時懐疑的だった²刀流への挑戦を認め、その才能を信じて後押しすることを約束した。入団後は、二人三脚で可能性を追求し、4年後の2016年には10勝4敗、打率3割2分2厘、本塁打22本と、二刀流で日本ハムファイターズを日本一に導いた。
 大谷にとって栗山監督は、二刀流育ての親であり、今日の土台を作ってくれた大恩人である。監督との出会いがなければ、世界一の選手と言われる大谷翔平は誕生しなかっただろう。栗山監督は大会期間中、何度も「信じる」という言葉を使って選手を鼓舞していた。そして、選手ファーストを貫いて頂点を極め、同時に愛弟子である大谷翔平が世界一の選手であることを証明してみせた。

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